SAYAスリッポンのオールソール修理
SAYAのスリッポンは、オールソール修理のご依頼を頂きました。
お客様のお話では、天然クレープソールと靴本体との間が、
靴修理屋さんで接着してもらっても剥がれてきてしまうそうです。
拝見すると、ソールは、セメント製法という靴本体とソールを
接着剤で圧着する製法の靴でした。
また靴本体の革と天然クレープの相性から強力に接着するのが難しく、
そうなると、靴本体とソールを縫いつけた方が、
剥がれる心配は少ないかと思いました。
(厳密にいえば、縫いつけるのは靴の縁から8ミリぐらいの
ところなので、履いていれば、その幅までは剥がれる事はあります。
が、それ以上のところまでは糸が切れない限り剥がれません。)
天然クレープの暑さでべたつく特徴と合成クレープで修理も可能な事を
お伝えし、今回は、合成クレープでのオールソールとなりました。
ゴムのミッドソールと呼ばれる3ミリぐらいの厚さのゴムを靴本体と
接着した後に縫い付けてから、踵部分はEVAスポンジで厚みを出し、
合成クレープで修理をしました。
踵のアゴの傾斜部分は、念のため3カ所釘でとめてあります。
ゴムのミッドソールと合成クレープの接着面が、絶対に剥がれない
という事はありませんが、革と天然クレープよりは強く接着できているので、
以前のような頻度で剥がれる事は無いかと思います。
天然クレープは、天然の生ゴムです。弾力性があり独特の履き心地を
味わえますが、暑さでやわらかくベタつきゴミがつきやすく、
寒いと硬くなります。
合成クレープは、合成ゴムです。見た目は、天然クレープに似ていますが、
暑さでべたつく事はありません。ただし、天然クレープのような弾力性は
ありませんので、どちらを優先するかでお選び頂けたらと思います。